今回のポイント
今回の米雇用統計は、9月の米国雇用情勢を確認する重要な指標です。
市場予想では、非農業部門雇用者数(NFP)は9.5万人増、失業率は4.1%が予想されています。
8月のNFPは16.2万人増と比較的強い結果でしたが、9月は再び10万人を下回る水準が予想されています。
今回のポイントは、
- NFP予想:+9.5万人
- 前回:+16.2万人
- 失業率予想:4.1%
- 前回:4.1%
- 平均時給予想:前月比+0.3%
- 過去19年の10月発表:円安ドル高13回、円高ドル安6回
- 過去19年の円安ドル高時の平均上昇幅:約55pips
- 直近5年:5回すべて円安ドル高
- 直近5年の平均上昇幅:約87pips
となっています。
特に注目したいのが、直近5年間では5回すべて円安ドル高となっている点です。
1.米雇用統計の発表日時と市場予想
発表日時
2026年10月2日(金)21:30
米国労働省労働統計局(BLS)から、9月分の雇用統計が発表されます。
| 指標 | 市場予想 | 前回 |
|---|---|---|
| 非農業部門雇用者数 | +9.5万人 | +16.2万人 |
| 失業率 | 4.1% | 4.1% |
| 平均時給・前月比 | +0.3% | +0.3% |
| 平均時給・前年比 | +3.2% | +3.1% |
市場予想には若干の差があり、Reutersがまとめたエコノミスト予想ではNFPは9万人増、失業率4.1%とされています。
そのため、今回については「NFP10万人前後」が市場の中心的な予想水準と考えておくと分かりやすいでしょう。
2.過去19年間の10月発表(9月分)雇用統計

今回のデータでは、過去19年間の10月発表分について、
円安ドル高:13回(約68.4%)
円高ドル安:6回(約31.6%)
となっています。
過去19年では、10月発表の雇用統計後にドル円が上昇したケースの方が多く、約7割が円安ドル高となっています。
また、値動きの平均を見ると、
- 円安ドル高時:平均+55pips
- 円高ドル安時:平均-33pips
となっています。
単純に方向だけを見ると、過去19年間では円安ドル高となった回数が明確に多いことが分かります。
ただし、雇用統計はNFPだけではなく、失業率や平均時給、さらに過去分の改定値など複数の数字によって市場の反応が変わります。
そのため、過去の傾向だけで今回の値動きを判断することはできません。
3.直近5年間ではさらに特徴的な結果

直近5年間を見ると、過去19年間とはさらに特徴がはっきりしています。
5回すべて円安ドル高
となっています。
割合にすると、
円安ドル高:100%
円高ドル安:0%
です。
また、円安ドル高となった5回の平均上昇幅は、
約+87pips
となっています。
過去19年間の平均が+55pipsだったことを考えると、直近5年間は10月発表の雇用統計後にドル円が比較的大きく上昇するケースが続いていることになります。
もちろん5年間だけのデータなので、これを統計的な法則として扱うのは適切ではありません。
しかし、今回の雇用統計を見るうえで、過去データとしては確認しておきたいポイントです。
4.今回の雇用統計で注目したいポイント
NFPは「10万人」が一つの目安
今回の市場予想は9~9.5万人程度です。
前回8月分は16.2万人増だったため、予想通りなら9月は雇用の伸びが鈍化することになります。BLSによると、8月は16.2万人の雇用増加、失業率4.1%でした。
一方、9月30日に発表されたADP雇用統計では、民間雇用者数が9万人増となり、市場予想の7万人増を上回りました。
ただし、ADPとBLSの雇用統計は必ずしも一致するわけではありません。
そのため、
ADPが強かった=NFPも強い
と単純に考えるのではなく、今回のNFPそのものを確認する必要があります。
失業率は4.1%が予想
失業率は4.1%で、前回から横ばいの予想です。
NFPが予想を下回っても、失業率が上昇しなければ、雇用市場全体の悪化を判断するには慎重になる必要があります。
反対に、
NFPの大幅下振れ+失業率上昇
となれば、労働市場の減速を意識しやすくなります。
平均時給も重要
今回の平均時給は、
前月比+0.3%
前年比+3.2%
が予想されています。
雇用者数だけではなく、賃金の伸びも重要です。
NFPが強くても平均時給が弱ければ、ドル買いの反応が限定される可能性があります。
逆に、
NFPが強い+賃金も強い
という組み合わせになれば、米国の雇用・賃金環境が想定以上に底堅いとの見方につながりやすくなります。
5.今回の雇用統計とFRB
今回の雇用統計は、FRBの今後の金融政策を考えるうえでも重要です。
9月のFOMCでは、FRBは政策金利を0.25%引き上げ、FF金利の誘導目標を3.75~4.00%としました。
FOMC声明では、経済活動は堅調なペースで拡大している一方、インフレはなお高い水準にあるとしています。また、雇用については「雇用の増加は労働力人口の増加に追いついている」としています。
そのため今回の雇用統計では、
雇用がどの程度の勢いを維持しているのか
が重要になります。
6.発表後のドル円のポイント
今回の市場予想がNFP9~9.5万人程度であることを考えると、単純には以下のような反応が考えられます。
NFPが予想を大きく上回る場合
NFPが10万人台後半~20万人近くまで増加し、失業率や平均時給も強い内容となれば、
米金利上昇 → ドル買い → ドル円上昇
という反応が考えられます。
NFPが予想を下回る場合
NFPが5万人前後、あるいはそれ以下となり、失業率も上昇するようなら、
米金利低下 → ドル売り → ドル円下落
という反応が考えられます。
ただし、今回のように市場予想自体がそれほど強くない場合は、「何万人だったか」だけではなく、予想との差と失業率・平均時給・過去分の改定を合わせて見る必要があります。
7.過去データから見る今回の雇用統計
今回の過去データで特に興味深いのは、
過去19年:円安ドル高 68.4%
直近5年:円安ドル高 100%
という結果です。
さらに直近5年間の円安ドル高時の平均上昇幅は、
約87pips
となっています。
もちろん、これは過去の10月発表分を集計した結果であり、今回も同じ動きになることを意味するものではありません。
しかし、今回の市場予想がNFP10万人前後という比較的低い水準であることを考えると、予想をどの程度上回るか、あるいは下回るかがドル円の初動を考えるうえで重要になりそうです。
8.まとめ
今回の米雇用統計は、
2026年10月2日(金)21:30
に発表されます。
市場予想は、
NFP:+9~9.5万人程度
失業率:4.1%
平均時給:前月比+0.3%
が中心です。
過去19年間の10月発表分では、
円安ドル高:13回(68.4%)
円高ドル安:6回(31.6%)
となっています。
さらに直近5年間では、
5回すべて円安ドル高
という結果になっています。
過去データだけを見ると10月発表分はドル円が上昇したケースが多いものの、今回の相場が同じ結果になるとは限りません。
今回の雇用統計では、NFPの数字そのものよりも、
「市場予想9~9.5万人に対してどの程度上振れ・下振れするのか」
そして、
「失業率・平均時給がどのような結果になるのか」
を合わせて確認したいところです。
特にNFP、失業率、平均時給が同じ方向を示すのか、それとも数字がまちまちになるのかが、発表直後のドル円の値動きを見るうえで重要になりそうです。

















